大正2(1913)年5月、芹沢�_介は東京高等工業学校工業図案科に入学しました。大正５(1916)年７月に卒業、郷里の静岡に帰り、翌大正6（1917）年に静岡市安西一丁目の芹沢たよと結婚、芹沢姓となりました。
　大正７（1918）年9月、静岡県立静岡工業試験場に就職、大正10（1921）年1月から大正11（1922）年10月までの約2年間は、大阪府立商品陳列所に技師として勤め、内外の図案の動静を業者に伝えたり、講演を行ったりしました。
　その後、郷里の静岡に戻り、手芸グループ「このはな会」を発足させ、近所の女性たちと、クッションカバー、テーブルセンター、壁掛けなどを制作、主婦の友社主催「全国家庭手芸品展覧会」に出品して、大正14、15（1925、1926）年と二度続けて最高賞を獲得しました。「このはな会」で試みた手法の中でも、大正13（1924）年頃から手がけたろうけつ染は、昭和5（1930）年に型染に移行するまでおよそ6年間手がけ、かなりの量を制作したといわれます。
　　また大正8（1919）年、24歳のころから、小絵馬の収集を始めました。戦前集めた枚数は数百枚におよんだといわれ、小絵馬研究家としての一面もありました。この小絵馬コレクションは、惜しくも昭和２０(1945)年に戦災で焼失しましたが、収集はやがてさまざまな分野に及び、戦後膨大な量に成長していきます。