静岡市立芹沢銈介美術館-芹沢銈介について

>昭和一桁代

芹沢銈介は、師・柳宗悦および沖縄の紅型（びんがた）との出会いをきっかけに、染色を生業とすることを決意し、昭和4（1929）年、染色家としてデビューしました。この年、芹沢は34歳。工芸家としては決して早いとはいえないスタートだったといえます。　昭和9（1934）年3月まで静岡市に住んでいましたが、この静岡在住時代に制作した作品には、細かく繊細な模様とともに、静かで内向的な雰囲気がみられます。題材としては、植物文と幾何学文が最も多く、次に風景があり、動物や人物の模様は比較的少ないといえます。ハンドバッグ、座布団、カルトン（紙はさみ）など、型染による小物類が多いのもこの時期の特徴です。　この時期の代表作には、「杓子菜文間仕切」（1929）、「蔬果文間仕切」（1932）、「伊曾保物語」（1932）などがありますが、雑誌「工藝」（1931）をはじめとする本の装幀でも高い評価を受けました。	杓子菜文間仕切（1929）
蔬果文壁掛（1932）	落ち葉文ハンドバッグ（1932）
蔬果文壁掛（1932）	「工藝」創刊号（1931）

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